Walk Don't Run

日常にいくばくかのジワリがあれば

パリのおもひで。

一度だけパリに行ったことがある。 出張絡みで2日くらい滞在しただけだったと記憶しているが、例のごとく大した仕事はできないので観光する時間もあった。

 

f:id:reborn4344:20171002235537j:plain

 

一人で散策していると突然、「コレ、アナタのじゃナイデスカ?」と日本語で声を掛けられた。 振り返ると手にコインのようなカギのような小さいモノを持った外国人男性が立っている。 鈍い私でもさすがに、落とし物をしたと見せかけて確認している間に荷物を盗むスリだと確信できた。 「いえ、違います」と返事してそのまま歩き出したが、「チョット見てクダサイ」とめちゃくちゃシツコイ。 度胸のあるヒトや場慣れしているヒトであれば、そこで「うるさい!」と声を荒げて撃退するのだろうが、私にはそんなことができるはずもなかった。 徐々に早足に移行し駆け足から最後は短距離トレーニングばりのダッシュで逃げた。 しばらくして振り返るとその男の姿は見えなくなっていた。

 

別の場所ではジプシーの集団にジワジワと接近される恐怖を味わうこととなる。 女性と子供の集団だったように思う。 気が付いた時には周囲を取り囲まれカラダをベタベタと触られていた。 その中にはズボンのポケットを確実に狙っている手が混ざっている。 「テメェ!」とでも大声を出して腕を振り回すなどすれば良かったのかもしれない。 観光地で周りにヒトもそこそこいたので致命的な反撃を喰らうことは無かったはずだ。 しかし私にできたのは、やや内股気味の体勢で必死にポケットを押さえ、蚊の鳴くような声で「やめろや・・・」とつぶやくことだけであった。

 

そしてもちろん、 逃げた。  全力で。

 

 

幸いなことに、これまで海外で怖い思いやイヤな思いをしたことはほとんど無い。 ところがそれが2連チャンだ。 もちろんパリの街には何の非も無い。 その日の私のLuckがちょっと足りなかっただけだ。 パリは噂に違わぬ素晴らしい観光都市であった。 いつの日になるかはわからないが再び訪れることができればと思う。

 

その頃にはもうダッシュで逃げることはできなくなっているかも知れない。 しかし積み重ねてきた幾ばくかの人生経験が、どんなトラブルでもそれなりにうまく解決してくれるであろう。 そんな気がしている。