Walk Don't Run

日常にいくばくかのジワリがあれば

日曜、秋晴れの公園にて。

日曜の朝、ちょっと寝坊して10時過ぎに起きたボクはいつもの近所の公園にジョギングに出かける。 雲一つないとまではいかないが秋晴れの空、気温も高過ぎず低過ぎずちょうど良さそうだ。

 

ボクが今住んでいる家を選んだのは、近くにこの公園があったからという理由も大きい。 ずっと前から何かいい雰囲気のところだなぁと思ってはいたものの、この近辺は地価も高いという先入観もあって選択肢には入っていなかった。 しかし約半年間を掛けて色々と住む場所を探してもどうもピンとくるところが見つからず、一度リセットして振り出しへということで戻ってきたのがここだった。

 

あらためて探してみると狭さ等の条件を妥協すれば自分にも何とか住めそうなところがいくつかあることがわかった。 仕事帰りや休日に何度か公園や駅の周辺を歩いてみて、絶対にこのあたりにしようと決めるのにそれほど時間はかからなかった。 ボクは第六感とかそういうものを信じるタイプでは無いのだが、そんな自分でも直感的に「ここに住んでみたい」と思える何かがあったのだ。 そして不思議なことに日曜の昼にこうして気ままなジョギングに来ている自分の姿がクッキリとイメージできていた。 いささか大げさな言い方だが、やはり何か運命のようなものがあったのかも知れない。

 

 

日曜の公園というのは本当に幸せな空間だ。 平日の悩みやイライラ、不満といったモノたちがここにいる間は何か遠く彼方にあるように思えるから。 だいぶ息は上がってきているものの、なるべく下を向かないよう、たまに空を見上げるようにして走る。

 

ボールで遊ぶ幼い兄弟。 若いころは特に何も思わなかったが最近は小さい子供達が遊んでいる姿が本当に愛おしく思える。 彼らになにか悲しい出来事が降りかかることなく、健やかに育ってくれることを心から願う。

 

散歩中の老夫婦とすれ違う。 つかず離れずの絶妙な二人の距離感。 会話はほとんどなくとも成立する二人の空間。 共に歳月を重ねた二人だけが醸し出すことができるそのどっしりとした安定感に軽い尊敬と憧れの念を抱いてみる。

 

若い女性二人組のランナーに追い抜かれる。 バッチリ決まったウェアに美しいランニングフォーム。 高校か大学の陸上部だろうか。 ボクは少しピッチを上げて追走を試みる。 アスリートのスピードというものを体感してみたいという純粋な興味からだ。 本当だ。

しかしそれは所詮ムリなチャレンジだった。 みるみる遠ざかっていく二人の背中に追走を諦めたボクは最後に秋空の香りを大きく吸い込む。

 

 

公園の周回路を2周、そろそろジョギングも終盤だ。 家に帰ってシャワーを浴びたら、美味しいコーヒーを淹れてテレビでも観ようか。 特に何のイベントも無い平凡な日曜。 でもボクにはジョギングができる健康なカラダがある。 人々の喜びや季節の移ろいを感じられる健やかなココロもある。 そしてこんなステキな公園の近くに帰るべき家もある。 それが贅沢でなくて何であろう。 そういう風にも思えるのだ。

 


Autumn, Abington Park