モスバーガーにそこそこパンチあるジイサン来た話。

【※当記事は別ブログ「slow, steady & go.」にアップしていた内容を移行し加筆修正したものです】

日曜日の昼下がり、ちょっとした用事を済ませた僕はモスバーガーに寄った。 コーヒーでも飲みながらブログを書こうと思ったのだ。

田舎町の郊外にあるそのモスバーガーの店内には先客が数組。 混み過ぎでも空き過ぎてもおらずちょうどいい感じだ。 外の空気こそ冷たいものの、大きな窓から日差しが降り注ぎ気持ち良い。

そのジイサンがやってきたのは僕がブログを書き始めて少し経った頃だった。 どのくらいジイサンかと言うと、杖こそついていないものの足元はかなりおぼつかず、そして小さなカートみたいなものを曳いていた。 80歳くらいだろうか。

ジイサンは「よっこいしょ」と席に着くと、隣に座っていた人の良さそうな青年に「ここではどんなものを食べるのがいいんやろうねぇ。 ワシ良くわからんでのぉ」と話しかけた。 いや、まだ注文してへんのかい。 ファストフードにおける行動フローをしょっぱなから覆す斬新なスタイル。

その青年はハンバーガー単品とセットの違いの概念を丁寧に説明してあげていたが、残念ながらジイサンにはイマイチ響いていないようであった。

しばらくしてジイサンは他の客の注文品を運んで来ていた店員さんを「ちょっとオネエサン」と呼び止めた。 「ハンバーガーをセットでもらえるかな」

店員さんは最初は状況をうまく理解できていないようだったが、注文がまだされていないということを察すると、「レジの方で最初に注文をしてもらう方式になっているんです。 ファミレスとかとは違うんで」となかなか小気味よい返しをした。 「あと、ハンバーガーにも色々なお味がございますので」

しかし、ジイサンがレジに行って注文する可能性が限りなくゼロに近そうなのは、少し遠くから成り行きを見ていた僕でもなんとなくわかった。 「野菜が多いやつがいいな」「あとコーヒー」。

店員さんは「野菜が多いやつ」という言葉に救われただろう。 注文をモス野菜バーガーのセットに迅速にまとめ上げレジの方に走ると、金額を計算してすぐに戻ってきた。 ジイサンは千円札を渡す。 ジイサンのスタイルが結局押し切った形だ。

運ばれてきたバーガーを黙々と食べた後、ジイサンが再び店員さんを呼びとめた。 「急がへんからタクシーを一台呼んでくれんかの」 極々当たり前のようにジイサンは言った。 ファストフード店でもあんなに自然にタクシーを頼むことができるのか。 僕にとってはちょっとしたカルチャーショックでもあった。 そして、どんなリクエストにも柔軟に対応する店員さんってスゴイなぁとも。

10分程してタクシーはやってきてジイサンは帰って行った。 いったいジイサンはどういう経緯でモスバーガーに来ようと思ったのか。 孫に「お爺ちゃんも一回食べてきてみなよ」とでも勧められたのだろうか。 タクシーを呼ぶということは来る際もタクシーでわざわざ来たのだろうか。 そんなことを考えはじめるとどんどん気になってしまい、自分のブログを書くどころではなくなってしまった。

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