カッコつけてただけに妙に恥ずかしい・・・
このブログを始めた当初、こんな記事を書いた。
自分としてはだいぶ無理をして買った機械式腕時計を一生大事に使い続けるつもりだ、という結構カッコいい?内容を書いたつもりなのだが、とりあえず謝罪せねばなるまい。
その時計を売っ払ってしまったからだ。
買いたいものが出来て資金が必要だったから、というのももちろんその理由としてはあるのだが、ちょっと言い訳がましく他の理由もいくつか挙げてみたいと思う。
売却した理由
最近はスマートウォッチを導入したり、どんなに雑に扱っても気にならないG-SHOCKを使うことが多くなったりで、まず単純に出番が激減してしまったことが挙げられる。
手巻き式のゼンマイをカリカリと巻き上げる喜びは十分に理解しているつもりだったのだが、スマートウォッチの便利さや楽さに慣れてしまうと、どうしても億劫に感じてしまっている自分を否定できなかったのだ。
「歳を重ねるにつれ、それなりの時計を着けておかねばならないシチュエーションも増えてくるだろう、、、」という見込みもあったのだが、それも完全に空振りであった。
これは単に私がボンクラなだけなのだが、そんなフォーマルな場に出向くことも、パーティー等でビシッとキメなければならないような状況もほぼ皆無だったのである。 だいたい普段はもっぱらユニクロの服で仕事してるんだから言わずもがなである。。。 全身の中で時計だけが一流品ってのもね・・・。
あと、やはり維持費の問題も挙げられる。 持っていること自体はもちろん負担にはならないのだが、機械式時計ならではのオーバーホール、これがクセモノである。
何年か前に正規代理店経由でオーバーホールを依頼したのだが、特に不調のところがあった訳でもないのに約6万円の費用が掛かった。 クロノグラフとかでは無いごくごくシンプルな時計でこれである。 「調子が悪くなってくるまでオーバーホールなんて出す必要無い」という意見にも一理あるのだが、それでもいつかはその時はやって来る。
趣味に使うお金をひねり出すのにいつもピーピー言っている中、一定周期で必要となるこのコストは中々、いやかなり馬鹿にできないものである。
もはや庶民には手に負えない趣味なのかも
自分としてはここ最近の機械式腕時計の値上がり具合にちょっと辟易してしまっている部分もあった。 私が結構色々と調べていた20年程前と比べると、本体価格、オーバーホール費用共に倍くらいになっているブランドも少なくないのではないだろうか。 その間我々の給与水準は全く増えておらず、むしろ減っているくらいなのにである。
もちろんメーカーや代理店としては内外価格差を調整する必要があるし、日本という国が相対的に貧乏になっていっているのだから仕方ないという面もあるだろう。 商売としてはそれを買える、買ってくれる層へと舵を向けてブランド価値を引き上げること自体は間違ってはいないとは思う。
それでも機械式腕時計という比較的誰でも気軽に楽しめるものだった装飾品、趣味がだいぶ手の届きにくい遠くへと行ってしまった感は否めない。 かつてのように10万円代からでも色々な選択肢があった時代が懐かしい。
スマホの普及で腕時計自体を着けないヒトも増える中、機械式腕時計は嗜好品としての性格をより強めていくのであろうが、一般庶民からかけ離れた遠くに行ってしまうことにいささか寂しさを感じているのも正直なところである。
以上、結局は自分に甲斐性が無いことの言い訳に過ぎないのだが、売却によってある程度は資金ができたことだし、腕時計自体は今後も趣味のひとつとしては楽しみたい。 クォーツ、デジタル、あるいは安い機械式になるのかはわからないが、また何か面白そうなモノを探してみたいと思っている。