典型的ダメパターンをやらかした感じだが結局万博のチケットを無駄にしてしまった。大阪をベースにする企業で働いているので、開幕前に無料で家族人数分の無料チケットを貰っていたのだが、「前半は様子見だな・・・」「夏場は暑すぎる・・・」なんて先延ばしにしていたらいつの間にか9月終盤になり閉幕まで一ヶ月を切っていた。
それから先は皆さんご存じの通り。入場予約自体が全然取れず、取れたとしてもあの混雑ぶりではパビリオンを見る気にもなれない。家族で行ってもイライラして険悪な雰囲気になりそうだし、ここは作戦を切り替えて短時間ソロ参戦を目指すことにした。(子は学校の行事で既に行っていたのでまぁ良いかと)
SNSの相互さんに教えてもらった早朝予約作戦を決行するため朝5時起きを数日続けた結果、何とか一人分は入場予約ゲットすることに成功。ただ平日の為仕事帰りに寄ることとし、その日はちょっとだけ早めに退社して夕方向かうことにした。まぁ向かうと言っても実は職場からは直線距離にしたら10km程度しか離れておらず、大した移動では無いのだ。
ならば何でもっと早い段階で行こうとしなかったんだ自分・・・
さて当日夕方、仕事を終えて電車でJR桜島駅へと。西ゲート入場しか予約できなかったので、ここからシャトルバスで会場入りする必要があるのだ。ちょっと面倒だけどこれはこれで興味深い体験になった。バスがどんどんやってきて次々と人間を飲み込んでいく様はこういう大型イベントでもなければなかなか見ることはないだろう。
西ゲートに到着。この時点で陽も落ちかけてるけれども暑さの心配をする必要が無いのは良いな。並ぶことも無く荷物検査をしてもらってサクッと入場に成功。

予想というか覚悟はしていたとはいえ中はこの混雑ぶり。人にぶつかって歩けないという程ではないものの、気楽にブラブラ散策するという感じでもない。

パビリオンの予約とか下調べなんかも全くしてこなかったので、展示を見るのは基本的に諦めていて、まぁたまたま空いているところを覗けたらラッキーくらいのスタンスで。

唯一ここだけは絶対に見たかったのが大屋根リング。見上げたらこの混雑っぷりで、上がるためのエスカレーターにも行列が。どこかで人が少なくなるタイミングがあるだろうと見越してとりあえずはもうしばらく会場を見て回ることにした。

パビリオンの中には入らずとも凝った建築をみるだけでも結構楽しい。ただこれを真夏や昼間の暑い時にやろうとは思わないので、結果的にはこのタイミングで来て良かったのかもしれないな。




行列のないエスカレーターを見つけたのでいよいよ大屋根リングの上に登ってみる。


正直、この大屋根リングの上から見た光景には感動してしまった。ただの輪っかだと思い込んでいたリングは実は凝った造形の指輪のように美しく複雑な曲線が絡み合っており、どこを切り取っても違う表情を見せている。
昼間を見ていないので周囲の景色との調和等はわからないが、夜にライトで照らされたリングは圧倒的な存在感を持って、今回の万博の象徴として正しくそこに佇んでいるように思えた。


一周約2kmということだが、円と言う形状からなのか私の家の近所にある2km超のランニングコースと比べてもこのリング一周の方がはるかにスケールが大きいように感じられた。万博のスタッフの方々が毎朝開場前にこのリングをランニングしているニュースが流れていたが、朝にここを走るのはさぞかし気持ちの良いことであろう。



それからしばらくの間、リングを周りながら会場を上から眺め続けた。確かにこれだけでもじゅうぶん楽しいし来られてよかったなと思える。


歩いているうちにやけに周囲にヒトが増えてきたと思ったら、目の前すぐでドローンショーが始まった。狙ってこの位置まで来たわけではなく偶然ここにいただけなのだがこれはラッキーだった。


本格的なドローンショーを観るのは初めてだったが技術の進化に驚嘆するしかなかった。ショーの内容にもメッセージ性があって良かったし、最後にちょっとしたユーモアを効かせているのも洒落てる。

ドローンを観た後も21時頃までブラブラしていたがパビリオンも閉まり始めたのでここらで帰ることに。帰りの駅の混雑は覚悟していたし仕方の無いことなので別に不満もなかった。むしろこれだけの人数が整然と秩序立って電車に次々と吸い込まれていくことが凄いし、よく設計されコントロールされていたと思う。
夕方から数時間滞在しただけの万博だったけれど、個人的にはとにかく大屋根リングに感動したしここを歩いただけでも来た価値があった。まぁ自腹でチケットを買っていたならパビリオンを観られないことに不満を感じたかもしれないけども・・・。タダだから元を取る必要もないからこその良い感想なのかな。
さて翌週、たまたま用事で吹田の近くまで行くことになったので万博記念公園に寄ることに。1970年開催のEXPOの方ね。

私はなぜかここの雰囲気が好きで機会があればちょいちょい寄っている。一応入場料が必要な公園だけあって設備もキレイで整備されているし、有料なことにより入る人が選別されるからか、やっぱり中にいるヒトがそれなりにちゃんとしている感じがする。上から目線であんまり良くない表現だけど民度が高いとでも言えようか。

良さげなイベントもしょっちゅう開催されていて、たまたまタイミングよく出くわすと楽しいしね。

今回は公園内にある「国立民族学博物館」にも寄ってみた。

黒川紀章氏設計の美しい建物はレトロフューチャー的な見方をしても楽しめるし、とにかく展示物のボリュームが圧巻なのでちょっと大袈裟に言えば館内で世界一周旅行をしているような感じ。

万博で混雑の中せわしなくパビリオンを見学するよりも、ここでじっくりと自分の興味ある分野を見る方が価値があるかも知れない。後付けの負け惜しみ感はあるけども・・・。
それから何はともあれ太陽の塔。これは本当に何回見ても素晴らし過ぎる。


芸術分野に疎く岡本太郎氏の作品のことについても全然知識が無いのだが、太陽の塔から迸るパワーというかオーラを見るだけであぁやはり天才というのは存在するのだなということがよくわかる。


こんな造形、天才以外には絶対思い付かないもの。何度見ても飽きないし50年の時を経てもいまだ大阪万博の象徴として愛されているのはスゴイとしか言いようがない。
EXPO1970の記念グッズショップも入っているんだけど、そこで売られている品々もかなりシャレてるんだなこれが。もちろん岡本氏によるものだけではないけど欲しくなるデザインのものが多いし、少なくとも今回の万博のミャクミャクグッズよりもはるかにセンス良いです。(謎のディスり)

今回の万博の大屋根リングも一部が残され「静けさの森」など周辺も記念公園として整備されるようだけど、吹田の万博記念公園のようにずっと人々に愛される場所として育っていってくれれば良いなと思う。
大阪に万博由来の素敵な公園が2ヶ所もあるなんて何だか誇らしいじゃんね。
