昼寝をしたら夢を見た。
夢の中でも僕は昼寝をしていた。 全面がすりガラスの引き戸タイプのドア、おそらく玄関なのだろうが、そこから射し込む太陽の光が眩しくて目が覚めた。 横から射す西日、夏休みの夕方だろう。 実際にはそんな造りの家に住んでいた記憶は無いのだけど、自分が小学生であろうことは何となくわかった。
家には誰もいなかった。 僕はサンダルを履き、ガラスがキラキラと輝く引き戸を開けて外に出る。 家の前は草がまばらに生えた舗装されていない道になっていて、奥には柵も何もない幅5メートルほどの用水路が流れていた。
外にも誰もいない。 僕は道路と用水路の境目あたりに沿って歩き始めた。 周りにはポツポツと住宅はあるのだけも誰とも会わなかった。
草を抜いたりと寄り道しながらしばらく歩くとなんとなく見覚えのある公園に着いた。 はっきりとした記憶は残っていないのだけど、この公園は実際に子供の頃に遊んだ場所なのだと思う。 でも結局ここに来るまで、そして公園にも人影は全く無かった。 僕は公園でひとり、でもそれなりに楽しく遊んだ。 砂場や遊具もあったし、持ってきてなかったはずなのに何故かボールもあったから。 そして満足するとまた同じ道を歩いて家まで戻った。
そこで目が覚めた。 僕はリビングの床で寝ていたのだけど、ソファーを見ると小さなブランケットを掛けて家族もそこで寝ていた。 僕は安心して、エアコンで乾燥してしまった喉を潤すためにコーヒーを淹れることにした。