肉体的な疲れはたいてい寝れば治る気がするが、心のダメージに対しては何らかの積極的療法が必要になる。
これといって思い当たるところは無いのに何だか妙に気分が重い日の帰り道、ちょいちょい寄らせてもらっている立ち呑み屋に向かう。
暖簾の隙間から店内を覗いてみると、カウンターには適度に空きがあって程良い混み具合。 こういう場合は迷わずゴー。 あんまり混んでると余計に疲れちゃうからね。
まずはレモンサワーを注文。 今日はそんなにガッツリ食べるつもりはないのでツマミにはきずし(関東では〆鯖かな)を。
このくらいのサイズ感がありがたいね。 添えてある昆布とかにもちょんちょんと醤油を付けて良いアテに。
レモンサワー飲み干してお次は中瓶ビールを。 酒屋さん由来の角打ちだからか瓶ビール安いんよなぁ。
目の前に並ぶ鶏つくねや煮魚も気になったけど自分にとっての定番とも言えるポテサラに行く。 何のひねりも無いシンプルポテサラに癒やされる夜だって良いじゃないか。
この辺りはお世辞にもガラが良い土地とは言えないんだけど、この店が好きな理由のひとつに客層がある。 グループ客や二人組ももちろんいるんだけど、一人客のおっさん達がなんとも渋いんよな、、、 作業服からスーツ姿まで色々といるけど、一日の仕事を終えて家に戻る途中、束の間のとまり木で羽を休める。 まぁそんなにカッコいいもんでもないんだけど、手慣れた感じで注文して長居はせずに去っていく姿に哀愁を含んだダンディズムを感じざるを得ないのだ。 って、だからそんなにいいもんじゃ無いってな。
何が効いているのかはわからないけど、いつの間にか気持ちはいくらか軽くなっている。 少し残った瓶ビールをグラスに注いで一気に飲み干す。 さぁ家に帰ろうか。