数年ほど前からクラフトビールを飲むことが増え、ビールの種類や味の違いについて興味を持つようになってきたのだが、ある時ビールについての検定があることを知り興味半分で受験してみることにした。
3級、2級、1級と3段階あって、合格率や過去に受験した方のブログから推測する限り3級はちょっとだけ勉強すれば合格できそう、逆に1級はとんでもなく難しくてビール関係の仕事をしている専門家でも難関のようなので、必然的にややチャレンジングな2級合格を目標とすることに決めた。
この試験の良いところは「CBT(Computer Based Testing)方式」という、全国各地にある試験会場で自分の好きな日時で受験できるところ。
場所や時間が選択できるので、私は通勤経路にある駅近くの会場で平日の夕方に受けることにした。 これなら少し時間を調整すれば仕事帰りに受験できるし休日を潰すこともない。
ちなみに試験実施期間も約2ヶ月あるので時期も調整可能。 自分はたぶん追いつめられるまで勉強開始しないだろうなぁ・・・という予感があったので、終了ギリギリ2日前の10月30日で受験した。
塾や予備校の自習室みたいな部屋に設置されたパソコンに向かって試験を受けるのだが、最初に操作方法のチュートリアルもあるので初のCBTでも大きな緊張や動揺もなく試験を終えることができた。
結果から言うと100点中70点以上必要のところ85点で無事合格。 正直まったく予想だにしなかった問題に結構遭遇してヒヤヒヤしたところもあったのだが、勘で答えたのが当たっていたりしてラッキーも含む感じ。
今年の試験はもう終了してしまったけど、来年以降で受けてみようと思っている方に向けて、自分なりの考えとアドバイスを以下に。
まず参考書。 公式テキストというのが出ているのでとにかくこれを買うのは必須。
ビールの製造方法や国・地域ごとの種類の特徴、また世界そして日本におけるビールの歴史や文化までが幅広くかつ比較的わかりやすくカバーされていて、実際かなりの部分はこのテキストの内容から出題されるので、極論を言えばこの本をしっかり読み込んで理解できたならもうそれだけで合格ラインには達していると考えて良いと思う。
私はちょっと大きめの書店で購入し、実際に読み始めたのは試験開始の2ヶ月前くらいから。 それほど厚い本でも無いので、まずは一回最後まで流し読んでそれから戦術を考えるのが良いと思う。
暗記が得意な人やテストに慣れている人、もともとビールについての予備知識がある人なら、覚えられたところからつぶしていき、残った苦手なところを最後に詰め込む形でいけるはず。
とは言え、私のように記憶力も無く、飽きっぽくて集中して覚えられない人間にとってはひたすらテキストを読み込むというのはなかなかツラい話。
ビールの種類や国や地域ごとの特徴といった比較的興味を持ちやすい分野についてはスムーズに頭に入ってくるが、特にビール発祥から現代までの世界史・日本史あたりになってくると順序立てて組み立てていく必要がありなかなか至難の業である。
そういう場合は気分転換の意味を含め途中で模擬テスト(過去問)を挟みつつ進めていくのが良いかと思う。
こうした公式の問題集も発売されているのだが、それなりに値段もするのでこれは必ずしも買う必要は無いかな、というのが個人的な感想。
今はありがたいことにネット上に過去問や予想問題をアップしてくれているサイトが結構あるので、そうしたところを活用させてもらえば十分な気もする。
私が便利に使わせてもらったのはこのあたり。
ここで問題を解いてみて間違ったところを公式テキストに戻って確認する。 それを繰り返すことでかなり知識が固まっていくことが感じられたし、飽きずに取り組むことができたと思う。 まあ平均してみれば1日当たり30分も勉強していないだろうから、飽きるもなにも無いんだけども・・・^^;;
この公式テキストとネットで過去問・予想問題以外には特に勉強したことは無いのだけど、結果的にはもう少し最新の市場・売場での情報にアンテナを貼っておくべきだったというのが反省点。
つい2,3ヶ月前に発売されたばかりの新製品の特徴について尋ねる問題や、今放映されているテレビCMについての問題などが出題されていたので、テキストや問題集ではカバーできないこうした範囲に関しては普段からお店のビール売場で意識的を眺めてみたり、宣伝やパッケージの説明を読んでみたりという細かな努力(好きなことだから努力でも無いな)が必要となる。
あと、キリンやサッポロといった大手メーカーのビールだけでなく、ヤッホーブルーイングやエチゴビール等の名の知れたクラフトビール系メーカーの商品についても常日頃から関心を持って店頭でチェックしたり買って飲んだみたりしておくと得点できる問題もだいぶ増えると感じた。
以上ざっとの説明になってしまったけど、(満点を目指したりで無い限り)このあたりを留意してカバーしておけばおそらく2級までは合格できると思われる。
この検定を受けてみての感想として、まぁ正直何かの役に立つような資格でも無いのだろうけど、これまで全く考えたこともなかったビールの製法等について、浅くではあれざっとした流れを理解できたことは大きな収穫であり、以降はスーパーでビールを買ったり飲食店で注文をする際にも、その原料や特徴について確認することがひとつの楽しみとなった。
ビール好きにとってそれは(大袈裟かもしれないが)毎日の生活を少し豊かにしてくれるものであり、それだけでも学んでみる価値は大いにあると思う。
あと、副次的?なメリットとして「今ビールについて勉強してるから・・・」という言い訳が自分自身に対してできることで、結果いつもであればちょっと躊躇してしまうようなお高めなビールでもどんどん飲んでみようという気分になってくることが挙げられる。
実のところはこのメリットが一番デカいのかもしれない・・・笑
尚、しばらくしたら検定合格の認定カードが送られてくるらしいので、その到着を楽しみに待つとしよう。
【20231203追記】
認定証、無事に到着しております^^