以前に記事に書いてから早1年近く、ようやく念願叶いこのたび訪問することができた。
大阪は富田林市にある「大平和祈念塔」、通称「PLの塔」。 高校野球の強豪「PL学園」を有することで知られる「パーフェクト リバティー教団」という宗教団体が全世界の平和を祈念するために建てた、高さ180メートルの巨大な慰霊塔である。
南大阪エリアの住民にとってはすっかりおなじみの建築物だと思うが、観光用では無くあくまで宗教施設なのでメディアで紹介されることは少なく、他地域ではその存在を知らないヒトの方が多いだろう。
私自身は特にこの教団に思い入れがあるわけでも、利害関係があるわけでも無いのだが、とにかく初めて見た時からこの塔の大きさとカタチのインパクトに圧倒され、是非一度、間近で見てみたいと思っていたのだ。
実際は行こうと思えばそれほど遠くない距離に住んでいるので、いくらでも機会は作れたはずなのだが、よくある「近すぎて逆に行かない」パターンに陥っていた。 一念発起したのはブログのネタがあまりにも見つからないからというのも正直なところであるが、雲一つなく晴れ渡った日曜日、青空をバックに写真を撮るのに絶好のタイミングだと考えたからだ。
この塔にアクセスするには近鉄長野線の「富田林駅」から徒歩でノンビリ行くのが良いかな、と思っていたのだが当日は諸事情あってクルマで向かうことになった。 「パーフェクト リバティー教団」はこの一帯にとにかく広大な敷地を持ち学校や総合病院等を幅広く運営しているので、案内表示もわかりやすくて戸惑うことは無いだろう。
大きなゲートから中に入ると、このように幅広い道路が一直線に塔に向かって伸びている。
広大な駐車場も完備。 無料で使わせてもらえるのがありがたい。 ここから5分程歩いて塔に向かうことになる。
繰り返しになるが、このPL教団はここが市街地から程近いとはにわかに信じられないくらいの広大な土地を、これまた信じられないくらい贅沢に使っているので、辺り一帯全てがスコーンと抜けていてとにかく気持ちがいいのである。
そして日曜日にもかかわらず(日曜日だからこそ、なのかも)全然ヒトがいない。 それがまた気持ちよさを加速させる。
徐々に迫力を増してくる塔。 あいにくの逆光だが、それもまた違う魅力を引き出してくれるかもしれないから良しとしよう。
とうとう下から見上げる位置までやってきた。 塔と太陽が重なる位置で写真を撮ってみる。 とんでもない迫力に圧倒される。
土台となっている部分の階段を上がると内部への入口と出口がある。 中に入るのは後回しにして、とりあえず塔のふもとをグルリと一周してみることにする。
建てられてから50年近くが経過しているため、さすがにところどころ老朽化を感じる箇所はあるものの、その紙粘土のような表面の質感と、宇宙船のような半球型の窓、複雑な造形の中にときおり現れる階段やハッチのようなドアにもなんだかワクワクしてしまう。
角度によって色々な顔を見せるのが面白くて、グルグル回っては写真を撮りまくってしまった。 付近に誰もいなかったのが幸いだが、相当に怪しいヤツだったと思う。
さて、いよいよ内部に入ってみることに。 すぐに受付から係員の方がやってきて「参拝はこちらです」とエレベーターに案内してくれる。 神殿は2階にあるためだ。
ちなみに現在、塔内部で一般の参拝客が入ることができるのはこの2階の神殿までで、それより上に行くことはできない。 かつては展望階(と呼んでよいのかわからないが)へも行けたようだが、今は一般向けには解放されていないそうである。
内部の様子はさすがに神聖な場所だけに撮影することは憚られるが(と言いつつエレベーター降りたところで一枚撮ってしまった、、、スミマセン)、厳かな雰囲気の中に設置された神殿には、有史以来のあらゆる戦争の犠牲になられた方の霊が祀られているとのこと。 係員の方が簡単に説明もしてくれる。
出口付近にあるこのパネルには「人間は生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とにおいて平等であって、これは奪うことのできない永久のものである。」から始まる、シンプルではあるが大切なメッセージが書かれていた。 私自身は無宗教であるが、人類から永久に戦争をなくすことを願う理念には全面的に賛成だし、色々と考えさせられることも多かった。
帰り際、フロアの片隅にグッズが並べられているのを発見し、無料で見学させてもらったことに対するせめてものお礼になればということで携帯ストラップを購入してみた。 400円という比較的良心的な値段が嬉しい。 持っているスマホにストラップホールは無いので、どこに付けるかと言われたらちょっと考えてしまうけれども。。。
以上で今回の訪問記は終了である。 この後に用事もあったのでそれほど長い時間滞在した訳では無かったが、ずっと行ってみたいと思っていた場所だったので自分の中で何か一区切りついたような不思議なスッキリ感があった。
塔の迫力ある姿を至近距離で見られるという魅力はもちろんだが、小高い丘の上一帯にひろがる静かで広大な非日常空間を独り占めしている感を味わえるという意味でもレアな体験ができると思うので、興味があればゼヒ一度訪れてみて欲しい場所である。