用事も無いのにどこかの駅に降りたくなることがたまにある。 最近は自宅の最寄り駅を通り越した先にある地味な急行停車駅が僕のお気に入りだ。
寂れているとまでは言えないものの、特に見るべきところはない駅前。 夜8時で閉まってしまう小さなショッピングセンターと、それよりはるかに早く全てのシャッターが降ろされる短い商店街。
正直、乗り越し料金を払ってまで行く必要は全く無い。 僕がすることと言えば空いている本屋をブラブラしたり(たいてい何も買わない)、駅前ロータリーに2店あるファストフードのどちらかでコーヒーを飲んでスマホを観たり、小さな100円ショップで買い忘れていた乾電池を買ったり、せいぜいそんな程度だから。
そして、そのあとは歩く。 もちろん目的も行き先も全くないままだ。 少し駅から離れればすれ違うヒトもほとんどいなくなり、僕は適当に角を曲がって住宅街の中を進んでいく。
たまにコンビニで飲み物やパンを買うこともある。 このあたりの住民でも何でもないのにパンをかじりながら夜道を徘徊するオッサン。 この時代では通報ギリギリの行為かもしれない。
その日の気分や気候によってそのまま一駅二駅分歩くこともあれば、ぐるりと回って同じ駅に戻ってくることもある。 そしてそこからまた電車に乗って帰宅するのだ。
ホントに何の生産性も無いムダな行動ではあるものの、僕はこのおかげで日々を(一応)健やかに過ごせている気もするので、乗り越し運賃も精神衛生上の必要経費ということにしておこう。
でもフツーのヒトはそんな時間あったら本を読んだり、勉強したり、ジムで運動したりに使った方が良いです。 だって冷静に客観視したら相当ヤベェもん、自分の行動。
とは言えやめるつもりは全然無いのが僕の本当のヤバさである。