美しく、そして深過ぎる詩 ロバート・フロスト “The Road Not Taken”

アメリカでは学校で習うくらいメジャーで誰でも知っているらしいのだが、非常に美しく奥深い詩に出会ったのでここで紹介してみたい。

ロバート・フロスト (Robert Frost) というアメリカの詩人で、ピューリッツァー賞を4度も受賞しているくらい高名なヒトの作品だそうだが、恥ずかしながら私は今まで知らなかった。

たまたまこの詩とその翻訳を目にしたのだが、美しい描写と読み手次第で幾通りにも解釈できるその奥深さに一気に好きになってしまった。 普段は詩に触れることなんてほぼ無いにも関わらず。

原文と翻訳を書いてみる。 訳は色々なサイトを参考にしつつ自分なりの表現にしてみたので、多少意訳が過ぎる部分もあるかもしれないがご容赦いただければ幸いだ。

The Road Not Taken (選ばれざる道)

by Robert Frost 

Two roads diverged in a yellow wood,

黄色に彩られた森の中、道は二手に分かれていた

And sorry I could not travel both

残念だが両方を進むことはできない

And be one traveler, long I stood

私はひとり、しばしそこに佇み

And looked down one as far as I could

一方の道をできる限り遠くまで見渡してみる

To where it bent in the undergrowth;

その道は先で折れ、そして草むらの中へと消えていた

Then took the other, as just as fair,

次にもう一方の道に目をやってみる

And having perhaps the better claim,

こちらだって劣らず悪く無さそうだ

Because it was grassy and wanted wear;

草木が生い茂り、誰かが通るのを待っているような気がしたから

Though as for that the passing there

とは言えその道だって分け入る人があれば

Had worn them really about the same,

結局は同じように踏み潰されてしまうのだけれど

And both that morning equally lay

あの朝、ふたつの道は同じようにそこにあった

In leaves no step had trodden black.

まだ誰にも踏まれずに汚れていない落ち葉に覆われて

Oh, I kept the first for another day!

あぁ、私ははじめの道はまた別の機会に取っておくことにしたのだ

Yet knowing how way leads on to way,

しかし、まだ先へと旅を続ける私が

I doubted if I should ever come back.

この場所に戻ってくることはもう無いであろうこともわかっていた

I shall be telling this with a sigh

ため息を吐きながら私は語るであろう

Somewhere ages and ages hence:

遠い昔、旅の途中

Two roads diverged in a wood, and I—

森の中で道が二手に分かれていた そして私は、

I took the one less traveled by,

まだ人が分け入ってない方の道を選んだ

And that has made all the difference.

それによって全てが変わったんだということを

いかがだろうか。 主人公はあの日選んだ道を後悔しているのか、あるいは長い年月を経た今、あの時の選択が正しかったことを懐かしく振り返っているのか、はたまた結果として苦労の多い道を歩むことになったが、あの時自分のした判断に間違いは無かったと誇りを抱いているのか、どのようにも解釈できるのがこの詩の素晴らしい奥深さであろう。

今後の人生で好きな詩について尋ねられる機会があったら、まず最初にこの作品を挙げようと思う。

ちなみに、YouTubeには朗読もたくさんアップされているので、それらを観ながら詩を追うのもおすすめしておきたい。

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コメント

  1. みよみよ より:

    初めまして

    Road Not Taken
    という言葉を調べてこちらにたどり着きました

    私も知らなかった詩です
    知ることが出来てよかった☺️

    そして、翻訳も心に染み入りました

    若い頃この詩に出会っていたならどう感じたのかなとか思いましたが、きっと今感じた事と根本的に変わらないかな

    出会いに感謝です❣️

    • reborn4344 より:

      >>みよみよさん

      コメントどうもありがとうございます。
      本当に美しい詩ですよね。 私は普段こういった芸術にあまり縁が無いのですが、一目見て好きになりました。
      YouTube等にも色々とアップされている朗読もそれぞれ個性が出ていて素敵なのでゼヒ観てみてください。^^

      確かに若い時に出会っていたらどう感じていたのか興味深いですね。
      あらゆる年代の琴線に触れるところも、この詩の素晴らしさのひとつだと思います。

  2. ぬし より:

    良い詩ですよね。
    私もこの詩は大好きです。
    元々詩なんて見なかった人間なんですが。
    たまたま…久しぶりに目にして、嬉しく思いました。
    上海の写真も良いですね。
    私の記憶にあるのはもうほんの少し前の上海ですが…思い出がよみがえりました。
    良い詩と良いサイトに出会えてとても嬉しかったです。
    ありがとうございます。

    • reborn4344 より:

      ぬし様
      コメントどうもありがとうございます。
      私も普段は詩に触れることなんてほぼ無いのですが、一度読んだだけでものすごく惹かれてしまいました。
      上海の記事も読んでいただきありがとうございます。
      変化の速い街ですから、今ならまた全然違う楽しみ方ができそうですよね。
      久しぶりに行きたくなってきました…笑

      引き続きどうぞよろしくお願いいたします。