10年前の上海旅行の写真が発掘された話。【中編】

【前編からの続きになります】

いくら私がブラブラ街歩きが好きとはいえ、一応観光地的なところに行ったりもする。

初めて来たことだし、という訳でベタ中のベタな観光名所「豫園」(豫園商城)へ。 別に歴史とかに興味があるわけでもなく、特に下調べもしていないので、結局歩き回るだけになるのは至極当然の結果か。。。

こういう観光地は写真映えはするんだろうけど、だんだん人いきれで疲れてきちゃうんよね、、、

結果的に豫園でハッキリと覚えているのは、自分用のお土産にしょーもないミニチュアの置物を買ったことと、この小籠包のように中に入ったスープをストローで吸う名物グルメらしき肉まんを食べたことだけだ。

具材が段ボールだったりすることはもちろん無く、ちゃんとそれなりに美味しかったのでご安心いただきたい。

再び街歩きへと戻る。

この時の上海は翌年2010年に開催されることとなる万博に向けて、街中の至る所でスクラップアンドビルドが行われていた。

当時も話題となっていた大気汚染自体は想像していた程はひどくないように感じたものの、街中の工事現場から発生する砂ぼこりがすごく、すぐに目が痛くなった。

工事でひとつ面白かったのは、街中にあるかなり高いビルの現場でも竹とロープで組んだ足場が使われていること。 我々の感覚からすると見ているだけで不安になってしまうのだが、香港などのビルでも竹の足場が使われてたから、長年の経験と実績に基づいた最適解なのだろう。 些細なことであっても、こういう文化や感覚の違いを実際に見て考えることができるのが街歩きの醍醐味だと思う。

歩き疲れると何度かホテルに戻って少し休憩を取った。

残念ながらどのあたりの何というホテルに泊まったかは全く覚えていないのだが、一枚だけ部屋の窓から撮ったと思われる写真が残っていた。 テレビから流れる異国の言葉を聞きながら、こうして高いところから車や人々の流れをボーっと眺めているのも、凄く旅情を高めてくれて好きな時間だ。

デジタルガジェット好きなので、電気街に寄ったりもした。

まだスマホが出回る前の時代で、特に食指が動くアイテムは無かったが、今だったら色々と欲しいものもあるんだろな、、、 いつの日か、アジア各地の様々な電気街を巡る旅ができたらな、と結構真剣に思っている。

お腹が減っても一人だから中華のコースを食べる訳にもいかず、食事はだいたい小さな食堂みたいなところに入った。

一見美味しそうだけどやたら薄味なラーメンとか、

今まで見たことの無いような色の肉がふんだんに入った餡かけ丼とか、そういったものを適当に食べた。 自分は基本的に好き嫌いが無いし、特にグルメでも無いのでだいたい何でも美味しく食べられるのがありがたい。 本当に親に感謝しないといけないところだな。

異国の地でヒトリ、食堂の窓から行き交う人々を眺める。 今風の言葉でいうなら最高にエモい時間だ。

【後編に続きます】

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