自転車の整備はそれなりに自分でやるんだけど、ある時ふと疑問に感じたのが「ホイールのスルーアクスルってどの程度締めておけばいいの?」ってこと。
車軸という主要部品なのに特にロックナットなども無く一方向から締め付けるだけなので、あまりに弱い固定では走行中の振動で緩んでしまう、かと言って力任せにグイグイやってしまえばベアリングや回転性能に悪影響が出るのは素人でも何となく想像できる。
「だいたいの加減でわかるだろ」と言われればそうなのだが、ちょうどいい機会なので初トルクレンチを買って確認することにした。 ステムのボルトなんかも適切なトルクでちゃんと締めているのか気になるし。
本来であればそれなりにちゃんとしたトルクレンチ、こんなのとか、
こういったのを買うべきなのだろうだが、
そうそうしょっちゅう使うものでもないし、予算も無いのでとりあえずお試しで注文してみたのがコレ。
お値段1,500円ちょっととお手軽。 リーズナブルな工具シリーズとしてショップでもよく見かける「BIKE HAND」という台湾のブランドのものだ。
レバー部はグラスファイバーっぽい樹脂製で軽量コンパクト。
付属するビットは10種類。 簡単なメンテで使うサイズを一通りカバーしたツボを押さえたラインナップ。
ヘッドの部分にはマグネットが仕込まれていて、ビットを近付けるとスルリと吸い込まれてカチッとはまる。 この感触がなかなか気持ち良くて無意味に何度も付け外ししてしまった。
詳しい構造はわからないが、レバー部中央にあるこのインジケーターで本体のひずみを計測する仕組みのようだ。 針が指定の数値のところを指すまでひずんだら締め込みをやめれば良いということになる。
もちろん本格的なトルクレンチほどの正確性は期待できないので、あくまで目安程度として考えておくべきだろう。
最大で10Nmまでしか測れないので主に小物系のボルトに使うことになるだろうが、ステムとかはだいたい5Nm程度のトルクが指定されていることが多いように思うのでちょうど使いやすい範囲かも知れない。
試しに色んなところのボルトをちょっと増し締めしてみる。
自分ではちょうど良い感じで均等に締めていたつもりの箇所も、ある程度のバラつきがあることに気付く。 そして規定トルクは思っているよりも弱い場合も多い。
もちろん個人差はあるだろうが、グイグイと締め込みがちのヒトは規定を大幅に超えてしまい逆に正しい固定力が得られていないケース、あるいは破損や破断につながりかねないケースもあるかもしれない。 特に長めのレンチを使っている場合は注意したいところだ。
一度自分の感覚や思い込みをリセットする意味でも、今後の作業においてはできる限りこのトルクレンチを使っていきたいと思う。